必須の耐震性能

日本は地震大国なので、万が一の時に家族の命を守る為にも耐震性能は最も重視すべき項目の一つです。
2016年に発生した熊本地震では非常に多くの木造建築が倒壊・半壊しました。国土交通省の資料によると、熊本地震で特に被害の大きかった益城町では、木造建築物の28.2%が倒壊したとされており、その殆どが旧耐震基準や耐震等級1程度の建物でした。また、倒壊を免れた「耐震等級1」の住宅については損傷が激しく、そのまま住み続けるのは難しい状況だったそうです。

一方で住宅性能表示制度による耐震等級3(倒壊等防止)の住宅は、大きな損傷が見られず、大部分が無被害であった事が報告されており、そのまま住み続ける事が出来ているそうです。

以上の被害状況から、京都大学竹脇出教授と構造の専門家による検証で、震度7クラスの連続地震が発生した場合、「耐震等級3」の耐震性能が必要である事が報告されました。

また、北米生まれの木造ツーバイ工法(木造枠組壁工法)の建物に関して、日本ツーバイフォー建築協会は以下の資料を発表しています。

・2×4工法を採用した2940棟の調査結果

木造2×4工法の住宅は「全壊や半壊はなく、当面修理をしなくても居住に支障のない住宅は97％も占めていた」そうです。2度の震度7の地震に対して、殆どの住宅で大きな被害がなく、そのまま住み続ける事が出来たという事実。ツーバイ工法が如何に地震に強い頑丈な構造であるかを如実に物語るデータといえるでしょう。

以上の内容を顧みて、みんなの工務店リサーチでは耐震性能における基準を木造軸組工法は「耐震等級3」、もしくは「ツーバイ工法」を必須性能とさせていただきました。

※「耐震等級3」は認定を受けた第三者機関による審査に合格する必要があります。専門機関での評価方法は「許容応力度計算」や品確法による「住宅性能表示計算」です。現在、多くのハウスメーカーや工務店で「耐震等級3相当」という表記がなされていますが、これは仕様規定の壁量を1.5倍に増やしただけの「耐震等級3相当」の場合があるので注意が必要です。

必須の断熱性能

断熱性能が優れていれば「夏涼しく冬暖かい家」を実現する事が出来ますし、ヒートショックなどのリスクを軽減する事も可能です。家族の健康の為にも重視すべき重要な項目の一つでしょう。

住宅の断熱性能は「UA値(外皮平均熱還流率)」という数値が用いられる事が多く、当サイト「みんなの工務店リサーチ」でも、断熱性能を評価する基準として採用しています。

・UA値(外皮平均熱還流率)とは…住宅の内部から床・外壁・屋根・開口部等を通過して外部へ逃げる熱量を、外皮全体で平均した値となります。数値は低ければ低い程、省エネルギー性能が優れている事になります。省エネ基準やZEH基準で求められる断熱性能は地域によって異なるので、8つの区分に分けられています。

・平成28年省エネ基準とZEH基準(UA値)

品確法で定められた「断熱等性能等級4(最高等級)」は上記の省エネ基準の水準となります。多くの大手ハウスメーカーがこの基準の断熱性能を大々的に宣伝していますが、みんなの工務店リサーチが考える「スーパー工務店」基準としては正直物足りない印象です。最低でも標準仕様で「ZEH基準値(強化外皮基準)」が必須であると考えます。

上の図をご覧頂くとわかりやすいですが、ZEH基準は近年ではそこまで厳しい基準ではなくなりつつあります。上をみればHEAT20 G1～G3レベルなどさらに厳しい断熱基準もございます。しかし住まいの断熱グレードを上げれば、当然その分予算も上がります。

初期費用と光熱費コストのバランス、なおかつ１年中快適に過ごせるラインとしてみんなのスーパー工務店における断熱基準は「標準仕様でZEH基準値以上のUA値」と設定しました。ZEHを超えるHEAT20性能をクリアできるならばそれに越したことはありませんが、最低限ZEH基準さえクリアしていれば問題なく快適で経済的な環境が実現できるはずです。

必須の気密性能

住宅の省エネ性能として重要な項目となるのが家の気密性能です。気密性能は「C値」という数値で表す事が出来ます。

・C値とは…住宅における「相当隙間面積」の事で、建物全体の隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った数値で、建物の気密性能の指標として一般的に用いられています。
住まいの気密性能を高める為には、断熱材や玄関などの性能も大事ですが、それ以上に「隙間をつくらない」丁寧な施工技術が必須となります。優れた気密性能を実現出来る「設計レベル」や「施工レベル」が必要となるので、優秀なスーパー工務店を選ぶ際には、非常に参考になるポイントになると考えて良いでしょう。

ちなみに「C値1.0」の隙間はハガキ1枚分の隙間に相当します。一般的には「C値1.0以下は高気密住宅」として認識されており、多くの工務店はこの数値を基準と宣伝しています。ですが、みんなの工務店リサーチが考えるスーパー工務店はこの基準では足りないと考えます。

何故なら、スーパー工務店の施工技術を測る上で「C値」は重要な指標だからです。「C値1.0以下」を基準とする仕様ならば、丁寧な施工を心掛ければ「C値0.7」は十分到達可能な数値です。つまりスーパー工務店として「C値0.7」の基準は、丁寧な施工を担保して貰う為の最低限の基準でもあると考える事が出来ます。

尚、気密性能(C値)に関しては実際に建築現場で気密測定試験機を使用して測定を行う事で数値を割り出す事が出来ます。一部大手ハウスメーカーでは気密性能(C値)に関して公表しない事が多いのですが、優秀なスーパー工務店では堂々と「C値」の数値を公開したり、全棟で気密測定を行う事を公表しています。

全棟で気密測定を行うのは工務店にとって「自信の表れ」でもあります。当然、優秀な「C値」を見込む事が出来ますし、もし気密測定で「C値0.7以下」にならなかった場合、その段階で施工の見直しを行って貰う事も出来ます。

以上の事から、みんなの工務店リサーチでは、優秀なスーパー工務店のリスト化にあたり「C値0.7以下」もしくは「全棟気密測定」を公表している会社のみに絞らせていただきました。

必須の窓仕様

高気密高断熱住宅を実現する為に、一番重要なのが開口部の仕様です。今ほど住まいの断熱性能が重視されていなかった時代、築年数の古い日本住宅の殆どは「アルミサッシと単層ガラス」が採用されてました。

築年数の古い実家などへ帰ると、隙間風が吹き家の中が寒く感じるのは窓仕様のせいと考えて間違いないでしょう。「アルミサッシ+単層ガラス」の窓仕様は、外壁に比べると10分の1程度の断熱効果しかないのです。

冬の冷たい冷気や夏の暑い熱気などは、殆どが窓から侵入してきます。具体的には冬は窓から約50%の割合で室内の暖気が消失し、夏は窓から約74％の割合で外気の熱気が侵入します。

つまり家の断熱性能や気密性能は、窓の仕様で大きく決定すると言っても過言ではありません。どんなに優秀なスーパー工務店に丁寧な気密施工をして貰ったとしても、窓仕様をケチってしまうと全てが台無しになってしまいます。
逆に言えば、窓仕様をどのレベルのものを標準仕様としているかで、その工務店の「高気密高断熱住宅への意識の高さ」を推し量る事が出来ます。

以上の事から、スーパー工務店の必須項目として標準の窓仕様は「オール樹脂サッシ+LowEペアガラス+アルゴンガス以上」とさせて頂きました。

オール樹脂サッシとは…樹脂製の窓フレームのことです。樹脂サッシの断熱性能はアルミサッシのおよそ1400倍。高断熱の樹脂窓はカビ・ダニの原因になる結露を抑制する効果にも期待出来ます。結露は木造住宅にとって天敵です。結露によって、住宅の構造材に余計な水分が含まれることになり、木材腐朽菌の生育を促し家の寿命を低下させてしまいます。またカビ・ダニの発生によりアレルギーや感染症などの健康被害の原因にもなります。

Low-E複層ガラスとは…複層ガラスの一種で、ガラスの表面にLow-E膜といわれる特殊な金属膜をコーティングし、2枚以上のガラスで空気層を閉じ込めた窓ガラスです。中の空気層に「乾燥空気」や「アルゴンガス」、「クリプトンガス」を封入した商品がありますが、スーパー工務店の基準としては、最低でも「LowEペア+アルゴンガス」の仕様を選んでいる事が望ましいと考えます。

みんなの工務店リサーチでは、住宅性能を大きく左右する重要な項目は「お金をかけるべきポイント」であり、ケチってはいけない項目と考えています。優秀な工務店は窓仕様への意識が高い事からも、標準仕様で高性能な窓仕様を採用しています。

施工レベル・検査体制

どんなに住宅性能に拘った設計でも、肝心の施工が杜撰だと設計通りの住宅性能を実現できません。マイホームを建てる際に一番心配な事は「丁寧な施工がされているか」ではないでしょうか。こればっかりはカタログをみても営業マンに直接聞いてもわかりません。だからこそ注文住宅を建てる時には「施工時の検査体制」に着目してください。

みんなのスーパー工務店では推奨項目の基準として「施工レベル・検査体制」の項目を設けています。こちらは現場での施工がキチンと行われているか、丁寧な施工が行われているかをチェックする非常に重要な項目です。

施主は建築士や有資格者などの第三者に、不具合等がないかチェックして貰う「ホームインスペクション」を活用する事も出来ますが、余計な費用が掛かってしまいます。

そこで優良な工務店では、自発的に「第三者機関による検査体制」を標準仕様としたり、「住宅性能表示制度」による住宅性能評価書を取得する事で施主に安心して貰えるような体制を整えています。

・第三者機関による検査
施工を行う工務店による自社点検とは別に、外部の第三者機関に検査を依頼する事。現場施工の住宅品質検査や入居後の維持管理など、幅広く対応する専門の業者が多いので、最近ではローコスト住宅などでも採用される事が増えて来ました。

・住宅性能表示制度
2000年に施行された「品確法」に基づく制度で、国が認めた検査機関が住宅の性能に関する評価を客観的に行う制度の事です。設計と施工の2段階に分けて評価・点検が実施されるので、「耐震等級」などの住宅性能評価を受けるだけではなく、家が完成するまでに4回の現場検査が実施されます。

これらの検査体制を活用する事で、丁寧な施工や検査体制を担保して貰う事が出来ます。みんなのスーパー工務店では「施工レベル・検査体制」の推奨項目として「第三者機関による検査」または「住宅性能表示制度」の活用を推奨いたします。

基礎仕様

住宅を支える重要な基礎部分の項目です。
「建築基準法」では、一般的な木造住宅の場合基礎の立ち上がりは「地盤から30cm以上」と定められていますが、みんなのスーパー工務店基準では、地盤から45cm以上の高さを確保する事を推奨します。

一般的な火災保険における水災の特約では「建物・家財の保険価額に対して30％以上の損害を被った場合」と、「床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水による損害があった場合」が保険適用の条件となります。

つまり基礎の床下換気口から泥水が侵入する「床下浸水」は保険金の支払い対象にはなりません。基礎高(床下換気口)が地盤面から45cmの高さを超えるように施工すれば水害対策も考慮した家づくりを実現する事が出来ます。

近年は地球温暖化の影響で、台風や集中豪雨などによる被害が増えています。特に沿岸部や河川の近くに新築を予定されている方は基礎高45cm以上を意識される事を推奨いたします。

また、基礎の立ち上がりは高ければ高いほうが床下の換気が良くなり、土台や根太、床板などの防腐効果に期待出来ます。他にも床下空間の点検がしやすかったり、シロアリに狙われにくい等のメリットも多くなります。

屋根断熱

屋根断熱か天井断熱かで迷われる方も多いのではないでしょうか。

・天井断熱
天井の仕上げ材の上に断熱材を施工します。断熱材の厚みを増やす事が出来る等のメリットがありますが、小屋根裏空間などの活用が難しいデメリットもあります。

・屋根断熱
屋根の勾配に沿って断熱材を施工します。施工技術が必要な為、コストが掛かる等のデメリットがありますが、2階居室や小屋根裏に熱が籠り易いといった問題を解消する事が出来ます。

どちらの断熱方法にもメリット・デメリットが存在しますが、天井断熱と屋根断熱を選択可能でしたら、みんなのスーパー工務店では「屋根断熱」を推奨します。

屋根断熱は天井断熱と比べて結露しにくいというメリットがありますし、小屋根裏スペースの有効活用や、輻射熱による2階居室の暑さを軽減する効果に期待出来ます。特に熱帯夜などでは昼に蓄積した熱気が2階居室に篭り易くなるので、屋根断熱の方が寝苦しい夜を防ぐ事が出来ます。

但し、天井断熱の場合でも壁断熱の数倍の厚みで断熱材の施工を行えば2階居室の快適性を損わないので、天井断熱を選択する場合は壁断熱の2倍～3倍の厚みで断熱材を施工するようにしましょう。

シロアリ対策

日本で木造住宅を建てるなら無視できないのがシロアリ対策です。

日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合の調査によると、築10年の木造住宅がシロアリ被害に遭う確率は約10%、築25年の木造住宅においては約20%がシロアリ被害に遭っています。つまり築25年を超える木造住宅は5棟に1棟はシロアリ被害に遭っている計算になります。

また日本しろあり対策協会の調査では、「基礎断熱」を採用した場合のシロアリ被害は「基礎断熱材のみ」が14.2%だったのに対し、「土台」まで被害が及んだのが24%、「構造躯体」まで被害が及んだのが61.7%を超えています。床下断熱でも基礎断熱でもシロアリ対策は重要な項目となりますが、特に基礎断熱を採用される場合は構造躯体にまで被害が及ぶ可能性が高いので、シロアリ対策は徹底的に考えるようにしましょう。

シロアリ被害を防ぐ為に最も効果的なのが、基礎の下に敷く防湿シートを「防蟻防湿シート」に変更する事です。

シロアリは基礎の下の地面から侵入しますが、防蟻防湿シートを基礎の下側に敷く事でシロアリの侵入を物理的にガードする事が出来ます。また、万が一シロアリの侵入を許してしまった場合の対策として、構造材に薬剤塗布やホウ酸加圧注入などのダブルの対策をすれば、シロアリ対策は万全と考えて良いでしょう。

また実際に住み始めてからも定期的な防蟻メンテナンスや点検は欠かさないようにしましょう。

シロアリ対策商品例
日東エルマテリアル社「ターミダンシート」(ピレスロイド系)
ザイエンス社「ターメッシュEM」(ピレスロイド系)など

断熱ドア

玄関は家の熱損失率の大きい開口部です。断熱効果の高い玄関ドアを採用する事で、住み心地の向上や光熱費の節約に大きく寄与する事が出来ます。

玄関の断熱ドアには「熱還流率0.95以下」と非常に優秀な断熱性能を誇る製品もありますが、その分価格も高額となります。

みんなのスーパー工務店の基準では「コストパフォーマンス」も重要な項目として設定しているので、初期費用と性能のバランスも考えた上で、「D2・K2（熱還流率2.33以下）」と同等以上の断熱ドアを推奨としました。

「D2・K2（熱還流率2.33以下）」の断熱ドアは、ローコスト住宅などで採用される事の多い「D4・K4（熱還流率4.07以下」より約1.7倍も断熱性能が優れており高性能です。それでいて「D4・K4」の断熱ドアとの価格差は数万円程度なので、費用対効果の高い断熱ドアと考える事が出来ます。

このグレードなら実際に暮らして行く上で快適に過ごす事が出来ますし、光熱費を抑える事も出来るでしょう。

断熱ドア商品例
YKKAP社　D2仕様断熱ドア
LIXIL社　K2仕様断熱ドアなど

換気方式

近年の気密性に優れた住まいは、家の中が密封されるので換気方式が重要な項目です。シックハウス症候群などから家族を守る為、スムーズな換気システムが求められます。

一般的に住宅用で採用される換気方式は、「第一種換気システム」と「第三種換気システム」です。

・第一種換気システム
機械で給気と排気を行うので、最も計画的な換気を行う事が出来ます。家の中の空気を綺麗に保つだけではなく、熱交換器を取り付ける事で家の中の温度を一定に保つ事が出来ます。

・第三種換気システム
自然吸気と機械排気により家の中を負圧状態にする事で換気を行う方式です。第一種に比べると換気能力は劣りますが、コストが安いのが魅力です。

第一種換気システムと第三種換気システム、どちらを採用する場合でも、みんなのスーパー工務店ではダクト排気型の換気システムを推奨いたします。

ダクト式の換気システムは家じゅうに張り巡らせたダクトを通して、より計画的な換気を行う事が出来ます。ダクト式換気システムには「ダクト給気型」と「ダクト排気型」がありますが、あまりオススメしないのは「ダクト給気型」の換気システム。

ダクト内部はメンテナンスが難しく、長く使えば使う程汚れが溜まります。ダクト給気の場合、せっかく家の中に綺麗な空気を取り込もうとしても、ダクトの中が汚れていては意味がありません。その点、ダクト排気型の換気システムは汚れた空気を外に排出するだけなので家の中の空気を綺麗に保ちやすい等のメリットがあります。

換気方式商品例
マーベックス社の「スミカ」(第一種ダクト換気)
日本住環境社の「ルフロ」(第三種ダクト換気)
ガデリウス「JBDG」(第三種ダクト換気)など

外壁

外壁は家の外観の印象を決定付けます。どんなマイホームを建てたいかは十人十色、好みに合った外壁を選択した方が所有する喜びを感じ易くなります。但し、外壁は常に紫外線に晒される箇所なので、メンテナンス性に優れた塗装や耐久性の高い外壁材を選んだ方が無難です。

・タイル外壁
耐久性の面ではタイル外壁を選ぶのが理想的です。外観に重厚感や高級感を与えてくれますし、光触媒や磁器を利用したメンテナンスフリーのタイル材も増えています。築20年、30年経過しても新築のような輝きを維持する事が可能ですが、その分予算もかなり上がってしまいます。

・窯業系サイディング
日本で一番普及率の高い窯業系サイディングはコストが安い分、定期的なメンテナンスが必要とされていましたが、近年は光触媒を活用したセルフクリーニング付きの製品も登場しています。窯業系サイディングを採用するなら「セルフクリーニング付き+塗膜保証15年以上」のものを推奨します。

・ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は軽量で錆びにくく、耐久年数も長い事から、近年多くのハウスメーカーや工務店で採用されている外壁材です。特に錆への対策をしっかり行えば30年～40年近い耐久性があるとされています。メンテナンス性を重視するなら、釘の打ち込みが見えない「スパドルタイプ」で耐候性に優れた「SGL塗装」がされている製品を推奨します。

理想はタイル外壁ですが、価格と性能のバランスを考慮すると、窯業系サイディングやガルバリウム鋼板を選択される方も多いのではないでしょうか。窯業系サイディングやガルバリウム鋼板を選択される場合は、塗膜保証15年以上またはガルバリウム鋼板の耐久年数と同等以上の製品を選ばれる事を推奨いたします。

尚、外壁タイルや窯業系サイディングの場合は目地に施工するシーリング(コーキング)部分にも注意する必要があります。それは次項でご紹介します。

外壁商品例
窯業系サイディング:ケイミュー社「光セラ」
窯業系サイディング:ニチハ社「プラチナコート」
ガルバリウム鋼板:日鉄鋼板社「ニスクカラーSGL」など

外壁シーリング

外壁シーリング(コーキング)は外壁の継ぎ目に施工する目地材です。この部分が劣化してしまうと、雨水が侵入したり、地震時に耐久力が大きく失われてしまう可能性があります。窯業系サイディングやタイルの外壁材を選ぶ場合は、シーリングの種類にも注意しましょう。

外壁シーリングは経年で「ひび割れ」や「気泡膨れ」などの症状が起こり易く、外壁材で一番メンテナンス頻度が高い箇所になるので、保証は長ければ長い方が良いです。

基本的に保証期間が長い製品は「高耐久タイプ」の製品となるので、外壁シーリング材を選ぶ際は「高耐久タイプ」且つ、15年保証付きの商品と同等以上の製品を選ぶ事を推奨します。

このグレード以上のシーリング製品を選んでおけば、メンテナンス頻度を抑える事が出来るので、トータルで掛かる出費も抑える事に繋がるでしょう。

外壁シーリング商品例
ケイミュー社「スーパーKMEWシール」
ニチハ社「プラチナシール」など

屋根材

屋根材は外壁材と同じく、常に紫外線に晒されるので傷みやすい箇所です。特に屋根材が劣化すると雨漏りの直接的な原因になるので、出来るだけ耐久性が高く、メンテナンス性に優れたものを選択するようにしましょう。

・陶器瓦
意匠性や耐久性を考慮すれば理想は陶器瓦です。デザイン性が高く、塗装も必要ないのでメンテナンスコストを抑える事が出来ます。耐用年数も60年以上と長く、もし破損してしまった場合でも、瓦1枚単位での交換が可能なので支出を抑える事が出来ます。銀黒を基調とした純和風なものから南欧をイメージさせる「素焼き瓦(耐用年数40年～50年)」なども人気です。但し、初期費用が高く、重量が重い等のデメリット面もあります。

・ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板の屋根材は1972年に米国で開発された金属素材で、錆びにくく耐久性が高い事から多くのハウスメーカーや工務店で採用されている金属素材です。2014年にはガルバリウム鋼板を改良した「SGL鋼板」も開発され、より耐久性能が向上しました。耐用年数は30年～50年程度とされており、価格と耐久性のバランスの整った屋根材と考える事が出来るでしょう。また鋼板の表面に石粒をコーティングした「ジンカリウム鋼板」も意匠性が高くおすすめです。

ローコスト住宅などで採用される事の多い「スレート屋根材」は価格が安いですが、耐用年数は20年程度と短く、塗装のメンテナンスも必要となります。また、価格が安く意匠性が高い「アスファルトシングル」も耐用年数20年～30年程度と、耐久性の面で見劣ります。

以上の事から、みんなのスーパー工務店では陶器瓦、もしくは「ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)」なら「塗膜保証15年付き」同等以上の性能のものを推奨いたします。

ちなみに外壁・外壁シーリング・屋根のメンテナンス時期(塗膜15年保証)を合わせる事で足場を組む回数を1回にする事が出来、メンテナンス費用を節約する事が出来ます。

屋根材商品例
ニチハ社「横暖ルーフ」
ケイミュー社「スマートメタル」
アイジー工業「アイジールーフ」など

屋根下地材

屋根の下地材(ルーフィング)は屋根と野地板の間に施工する防水シートの事です。雨から家を守る重要な部分になるので何の下地材が採用されるのかしっかりとチェックしましょう。

屋根の下地材(ルーフィング)には透湿性のものと非透湿性のものがあります。

・透湿性ルーフィング
透湿性の製品は止水性を保ちながらも湿気は通す特殊な素材が使われています。衣服のゴアテックスをイメージされると判り易いかもしれません。耐久年数も50年以上あるとされていますが、その分初期費用も掛かります。2022年現在のシェアは5%程度で、屋根の下地材としてはかなりの高級品となります。

・非透湿性ルーフィング
非透湿性の製品は、湿気を逃がす機能はありませんが、防水性が非常に高い特徴があります。一般的な非透湿性ルーフィングに樹脂やゴムを添加し性能を向上させたのが「改質アスファルトルーフィング」で、こちらは価格と性能のバランスが良く、多くのハウスメーカーや工務店で採用されています。尚、粘着層付きの製品は高価ですが、タッカーで止める必要がないので、雨漏りのリスクを抑える事が可能です。

屋根の下地材は目に見えない箇所に施工されるので、ローコスト住宅などでは安いグレードの製品(アスファルトルーフィング940等)が採用される事が多いですが、こちらは耐用年数も短いのでオススメ出来ません。

みんなのスーパー工務店では、耐用年数や性能から最低でも「改質アスファルトルーフィング」と性能同等以上の製品を推奨いたします。

屋根下地材商品例
ニチハ社「横暖ルーフ」
ケイミュー社「スマートメタル」
アイジー工業「アイジールーフ」など