工務店選びで失敗しないために
住宅性能と価格を最新カタログで比較しよう

工務店の選び方
一つ前のページでは、家づくりに係るイニシャルコスト(工事費・諸費用)と、住み始めてから発生するランニングコスト(修繕・保険・税金)について学びました。併せて住宅ローンの金利動向や国の住宅支援策などもご紹介いたしました。一読いただいた方は家づくりに関するお金の知識も増え、大体どの程度の返済額でどの程度の価格の家が建つのか、毎月幾らで維持していけるのか具体的な金額の理解が深まったのではないかと存じます。
予算や返済額についてパートナー様とお話されたのであれば、次は工務店の選び方について知識を得ていって下さい。

ずばり、工務店の選び方とは、
良い家(住宅性能の素晴らしい家)を作れる工務店が、
コストパフォーマンスに優れるか否か

と言って良いです。
住宅性能の劣悪な建物は、どんなに低価格であろうとも避けて通るべきだし、
どんなに住宅性能が優秀であったとしても、予算を大きく超えてしまう家づくりは行ってはいけません。

まずは、住宅性能とはどんな種類があり、どういう役割を果たしてくれるものなのかを学びましょう。
概要を学んだ上で、あなたのご家族がこだわりたい住宅性能は何かを把握し、こだわらなくても良い部分は予算を削ぎ落して、理想に近しい家(価格も折り合う)を設計してもらえるようになりましょう。
以下、できるだけわかりやすく解説していきます。

住宅性能が素晴らしい家を、極力安く買う方法


良い家を安く買う方法

家づくりの手順を間違えないで

重要度:

素晴らしい家を、極力安く買うためには、大前提として家づくりの手順を間違えないことが重要です。
家づくりの失敗要因は「金銭的失敗」、「性能面の失敗」、「間取りの失敗」の3つだけで十中八九を占めると言っても過言ではありません。

間取りの失敗については、まだ先のお話ですから今は割愛しますが、家づくりの初期手順を間違えてしまうと「金銭的失敗」と「性能面の失敗」に繋がり、それは取り返しがつかない事項になってしまいます。逆を言えば、これらの失敗を引き起こさないように事を進めれば、みんなが感じてしまっているような家づくりの失敗を回避できます。

家を建てるにあたってのおすすめ手順は、

①予算を決める(※無理のない返済上限を知る)
②工務店を比較する(※性能&コスパに優れる工務店を知る)
③理想の条件(性能と価格)を確定する
④条件に合う工務店を見に行く(※性能と価格で厳選済み)

この手順通りに進めると、家づくりで失敗する確率が大幅に減ります。本ページでは②工務店を比較する方法(住宅性能と価格帯比較)について詳しく書いてまいります。

何故この手順で進めていただきたいかと言うと、、
家を建てたいと考えた際に大半の方が①予算・②各社比較・③条件決め、を行わずに④住宅展示場やモデルハウスを見に行きます。これは「何から始めれば良いかわからないから」という理由が大半。見た目が好みだから〇〇工務店のモデルハウスを見に行って話を聞いてみようと考えるのです。
①②③の手順を飛ばして④の条件も決まっていないまま営業トークを真に受けて契約してしまった方々の後悔の念が非常に多いのが実情です。


住宅展示場やモデルハウスへ行くのは高リスク!?

モデルハウスの接客営業マンは危険
モデルハウスや住宅展示場というのは、言わずもがな「契約を取ることがノルマとして課せられた営業マン」で溢れかえっています。接客する営業マンは、どうしたら契約させられるか、マニュアル化されたプロの契約請負人集団。組織的に契約を迫るようになってきます。見に行ったその日から営業電話がかかってきたり、ご自宅に手土産を持参したりして営業をかけられます。終いには、支店長クラスが自宅まで来て「値下げの決裁」をその場で行うこともあります。

例えば、「本来2000万円の家を今月中なら1700万円に値下げします」と言われれば、胸が高鳴ってしまいますが、そもそもそのお家はどのご家庭でも同じ手法で1700万円で契約取ってますから、定価が1700万円です。それどころか、他のB社では全く同じ仕様のお家が1500万円で契約できます… という事態がよく起こっています。

ですから、こういった場所に住宅の知識も、予算感も相場も知らない素人が足を運んでしまうことは、選択肢を閉ざしてしまう行為であり非常に高リスクだと考えています。

案の定、接客された営業マン達に良いことばかりを吹聴されて、他も知らずに契約に至ってしまうという現状があります。統計上では、まず始めに住宅展示場に足を運んだ方は、約半数以上のご家庭が契約に至っているとデータが御座います。

工務店の選び方決め方
この進め方が必ずしも良くないとは書きませんが、性能や価格の比較も行わずに決めてしまって良いほどお安い買い物だとは到底思えません。

住宅性能や価格の比較を行うということは、
より良い性能の家を、できるだけ安く手にする ということです。
どれだけ重要なことか、容易に想像できますね?

もちろん高性能であればあるほど、価格は高値となってしまいますから、要は価格と性能のバランスが分かるようになってから実物を見にいって欲しい。
性能や価格帯を比較済みであれば、営業マンの巧みな口車に乗せられてしまうことも減りますし、あなたご自身が住宅に関する知識を有していることと、住宅の価格相場を知っていることが一番の強みになります。

何故、複数社を比較する!?
目星を付けた複数社を同時にカタログ請求を行うことで、各社を客観的に住宅性能や特徴の比較を同時進行でスムーズに行うことができます。カタログの他に、各社のキャンペーン情報や新商品の紹介などもポストに投函されるようになります。
一括資料請求や一括見積のサービスをご利用したことがある方はご存じかと思いますが、各社に価格競争をしていただくことや、より良い性能や設備・機器の追加(有償オプション)をオマケしてもらえたりといった得できる交渉が後々可能になる訳です。
「よくわからないから住宅展示場やモデルハウスに行ってみよう」と足を運んでしまった方は、言わば定価に近い価格で追加オプションも満額請求されてしまう状況にあります事を覚えておいて下さい。

高額家電を購入する際に、他の家電量販店の見積書を持って行くと、それと同価格かそれよりも多少お値引きした価格で提示されますよね?住宅メーカーでもそこは一緒。これを相見積もりと言います。

家電でも住宅でも、多少値下げしても売主の利益は出ます。
しかしそのお値下げ交渉の根拠となる他社の見積もり書を持っていかなければ、大幅なディスカウントには応じないのが世の常で御座います。
この相見積もりを取るかどうかで、最終的な価格は数十万円~数百万も変わってきますから、これだけはやっておくのが絶対にお得と断言できます。

あなたの建築エリアに対応した工務店のカタログ一括資料請求がまだの方は、今のうちにお取り寄せを行っておきましょう。

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それでは具体的な住宅性能の比較について解説してまいります。

そもそも住宅性能って何!?

重要度:

家づくりを検討中の方は、何から手をつけて良いか分からないという方が多いですが、予算感さえ決まってしまえば、あとはじっくりハウスメーカーや工務店を吟味していきましょう。比較するべき1番重要な項目が住宅性能です。
工務店住宅性能比較

住宅性能とは、10つの住宅性能を示す評価項目のことで、これから家を建てる方は各性能をどの等級で建てたいかを工務店と相談しながら家づくりを進めることになります。住宅性能にはそれぞれ等級があり、等級の取得には国土交通大臣に登録された「登録住宅性能評価機関」の検査が入ます。まずは設計図から住宅性能を検査し、さらに建設中に4回の現場検査も入ることになります。簡単に言うと、第三者機構がしっかりと各住宅性能を検査し建物の性能等級を客観的に保証するものです。

等級を取得しなくとも、〇等級相当(全く同じ作り方で検査なし)という作り方も有ります。この等級制度を受けるか受けないかは任意ですが、以下に分類される10項目の内、こだわりたい条件があればしっかりと等級を証明してもらった方が安心できます。住宅性能評価書を取得する費用は8万円~20万円とマチマチで、この検査(費用)が包括契約される工務店もあれば、別途費用を請求される場合もあります。長期優良住宅を建てる場合は、住宅性能評価書が必要で、この証明書が有ると住宅ローン金利と住宅ローン控除でお得になります。一方で長期優良住宅の認定を受けた場合は、10年毎に定期点検が義務となりますから、その煩わしさや予算の関係上、住宅性能評価制度を利用しないという方も多くいます。

そして、住宅の実質的な価値は「住宅性能そのもの」と言っても良いです。
住宅性能評価書を取得するしないは費用が発生するので考えどころですが、検査を受けないとしても住宅性能に関しては施主であるあなた様も知識を得ることと、実際に取り入れたい項目をしっかりと伝えられるようにしておくのが理想的。

特に現代日本における本質的な家の価値は「地震に強く、耐久性に優れる家」「冬は暖かく、夏は涼しい家」、そして電気代などを節約または創出する「省エネ住宅」です。
実際に中古住宅を見ても、これらの住宅性能に優れた家は高値で売買されている傾向にあります。

これらの本質的な価値のない家を逆説してみると…
「地震が来たら倒壊の恐れのある…脆い家」、「冬は極寒、夏は灼熱地獄の家」、「電気代がベラボウに高い」
極端ですが、このような文言になりますでしょうか。
新築であれ中古であれ、こんな家には誰も住みたくないですよね。これこそが住宅の価値となる訳です。

住宅性能の評価項目となる10項目は以下の通りです。

住宅性能評価10項目

性能項目説明
1構造の安定住宅は様々な災害(地震、台風、積雪)の影響を受けることがあり、損傷または倒壊の恐れがあります。構造の安定では、地震などの影響による建物の「損傷の受けにくさ」や「倒壊耐久度」を評価します。地震に対しては耐震等級が設定され、等級が高いほど地震に強いことを表します。
2維持管理・更新への配慮給排水管及びガス管の点検、清掃、交換のしやすさを評価します。
3温熱環境温熱環境に関する評価は、冷暖房を効率的に稼働させるための壁や窓の断熱性能を示す「断熱等性能等級」と、住宅内の省エネ設備の導入による「一次エネルギー消費量等級」の2種があります。
4劣化の軽減住宅の土台(基礎)や柱の劣化を遅らせるための対策を評価します。
5光・視環境上方と東西南北の5方向について、日照・採光の取り入れ度合いを評価します。
6空気環境換気設備が整備されているかと、建築基準法に制限値のあるホルムアルデヒド濃度を規制するもの。ホルムアルデヒドは接着剤や防腐剤などに使用され、シックハウス症候群の原因にも。
7音環境建物外からの騒音の伝わりにくさ、建物内からの防音を高める対策がどの程度か評価します。
音漏れの原因となる開口部(玄関ドアや窓サッシ)も評価対象。有料オプションのため、評価対象とするか否かを選択できます。
8火災時の安全万が一建物内で火災が発生したとき避難のしやすさ、または隣接住宅が火災のときの延焼のしにくさについて評価します。耐火性のある建材(外壁・床・屋根)を用いたり、火災報知器などの設置、避難経路が確保されているか等。
9防犯対策防犯上有効な建物部品(ドア・窓・雨戸)などが設置され、侵入防止対策を評価します。
10高齢者への配慮建築時から高齢者の「移動時の安全性の確保」と「介助のし易さ」に対応できる住宅にしているかを評価します。バリアフリー化や手摺りの設置など。

上記住宅性能評価10項目のうち、とりわけ①構造の安定、②温熱環境、場合によっては④音環境は積極的に取り入れた方がよろしいです。

①構造の安定=耐震性能・耐久性能(耐震等級 1~4)
②温熱環境=断熱性能(断熱等級 1~4+α)・気密性能・省エネ性能(省エネ等級 1~5)
④音環境=遮音性能(遮音等級 特級~3)※近隣住宅と建物間隔が近い場合

その他の住宅性能につきましては、ご家庭ごとに必須要件にはならないものもありますから、本ページでは割愛します。
例えば、⑩高齢者への配慮(バリヤフリー化)はご両親との同居がなければ取り入れなくても構わないですし、⑤光・視環境も土地によって採光が難しい場合などもあります。

必ず比較して欲しい住宅性能としては、耐震性能と断熱性能と気密性能。
この3つの性能は必須
と思料しており、断熱性能・気密性能が優れていれば省エネ性能は伴なって高くなります。

音環境も近隣と建物間隔が狭ければ検討したいところ。
ご近所さんとの騒音トラブルは頻繁に起こる事柄です。特に小さなお子様がいるご家庭の場合は加害者側になってしまい、近隣の方にストレスを与えてご近所付き合いにも影響を及ぼしてしまうことも御座います。
特に現在鉄筋コンクリート造(RC)のマンションにお住まいの方は注意が必要で、遮音対策をしていない木造住宅や鉄骨住宅は、RC造のマンションとは比較にならないほど遮音性に劣ります。首都圏などの住宅街で戸建てを検討中の方は、ご近所様と長い付き合いになりますので遮音性を取り入れれば、窮屈な思いを和らげられます。

これらの住み心地の快適さを大きく左右する住宅性能は、取り入れることで大きく満足度が上がります。
一方で、これらの性能をケチって予算を絞ってしまうと、住んでから後悔することが多くなります。

家づくりの3大失敗要因である「性能面の失敗」のほとんどが②温熱環境に関わる失敗となっていますから、断熱性能・気密性能についてはもう少し詳しく解説します。また、ここに耐震性能も含めて下さい。大きな地震が来てからでは遅いのですし、何よりもご家族の安全を守れる家にしなくてはなりません。


取り返しのつかない失敗は避けて

耐震性・断熱性・気密性は後から取り入れることが難しい住宅性能です。
リフォームできない訳ではありませんが、もし後からこれらの住宅性能をアップグレードする場合、家全体に足場を組み、床や壁を解体してからやり直すとなると、とても高額な修正費用になってしまいます。特に耐震性能を増す場合は、基礎打ちから修正する可能性すらあります。家づくりを行うにあたり、工務店を選ぶより先に住宅性能をどの程度取り入れるべきか、真剣に考えなければなりませんし、その性能を得意とする工務店はどこか、真剣に比較しなければなりません。

だからといって耐震等級や断熱等級、省エネ等級などを全て最高等級にした方が良いということでは御座いません。
最高等級では、明らかにオーバースペックである場合も多く、お住まいになる地域によっても気候に差がありますから、建築予定地の気候に見合った性能、コストパフォーマンスに優れるものを選択できると良いです。

工務店の住宅性能比較

ただし、工務店には得意と不得意があり、全ての工務店が高気密高断熱の家を作れません。
地震に強い家も同様に、全ての工務店が耐震等級3を取得できませんし、制震ダンパーを採用したくても、施工経験がない工務店もたくさんあります。

あなたが関心を持っている工務店は、どの住宅性能が得意で、どの住宅性能は不得意なのか。
あるいは今時点で関心はないけれど、あなたの求める住宅性能を全て実現できる工務店は近くに何社あるのか。もっと言うと、住宅性能が素晴らしく、価格も見合う工務店はどこか、しっかりとカタログ比較して把握下さい。

工務店の住宅性能と価格を比較
工務店の”住宅性能”や”得意”不得意”を比較するなら、まずは最新の無料カタログおまとめ取寄せをご活用下さい。
求める情報(住宅性能の等級や素材)のほどんどが、公式カタログには明記されています。

住宅性能は公式の最新カタログを確認

重要度:

全国工務店カタログ
工務店の最新カタログには、どんな外観の家か、その家はどんな特徴があるか、各種住宅性能等級はいくつか、どのような間取りが作れるかサンプル図面や、設備・仕様の説明などがビッシリと書かれています。イメージ写真や図面もありますから、その工務店に対して非常に理解が深まります。工法や外観に使われる建材、壁内部の断熱材とその厚み、空調システムや床暖房システム…ありとあらゆる情報が詰まっていますから、建築エリア対応の工務店カタログは是非一度まとめて取寄せを行って比較しておいて下さい。

工務店の住宅性能と得意分野、どのような見た目の家かは公式カタログで確認するのが一番良いです。
その性能と特徴に対していくらなのか、で決めるべき。

また、最新のカタログではネットに書かれていない最新商品や、得意としている技術・特徴などが記載されている場合も多い。
そして、カタログを取寄せした方には「決算セール」「期間限定キャンペーン」などのお得な情報を手に入れることができます。

セール情報や設備の無料グレードアップが行えるキャンペーン情報などは、
注文住宅をできるだけ安く契約するには”見逃し厳禁”と言えますため、必ずカタログは中古品を買わずに、最新版を無料カタログ請求した方がよろしいです。
カタログ請求をすると、3日~7日程度で順次ご自宅のポストに投函されます。その後は3カ月に一度程度の頻度でお得な情報がポストに投函されることになります。マイホーム建築を検討しているのであれば、必ず住宅展示場に行く前に行って欲しい手順になります。

そして、様々な住宅メーカーの性能をカタログ比較している内に、あなたは断熱材や気密性、省エネに関する知識や地震に対する装置・装備・仕様について、今とは段違いに見分ができるようになります。

何も知らないままでは、「工務店の厳選」をはじめ、「条件決め」や「価格交渉」もできません。
知っているからこそできるのです。
全ての手順をスッ飛ばして住宅展示場に行くのはやめましょう。

工務店の住宅性能比較

重要度:

住宅性能で必ず取り入れて欲しい項目として、耐震性能と断熱性能、気密性能、省エネ性能と記載させて頂きました。
しかし、一体どの程度の性能が良いのか、どのように各社を比較すれば良いのか、よくわからない方も多いかと存じますので、オススメする比較方法を書いておきます。


耐震性能の比較方法

工務店耐震性能を比較
耐震性能は、わかりやすく国が定めた耐震等級「1級」「2級」「3級」が設けられています。
2000年以降は建築基準法で耐震等級1級以上でなければ建築できませんから、特に耐震等級についてカタログ上に明記のない住宅商品は耐震等級1級だと考えておきましょう。耐震等級1級は国が定めた基準値で、耐震等級2級は1級の1.25倍、3級は1級の1.5倍の地震に対する耐久値を有しています。1級であっても、震度6~7の地震では倒壊しないレベルであるとされています。ですから、どんな家であっても新築の場合は耐震等級1以上が担保されていますため、ちょっとやそっとの地震ではビクともしません。

ただし、地震に対してどの程度備えておくかは施主様それぞれですから、気に入った工務店と該当商品では耐震等級がいくつになるのかは、必ず確認しましょう。日本は地震大国ゆえ、特に東日本大震災以降は耐震性能をかなり意識されてみなさん家づくりを行っています。

また、等級が全てではなく、例え耐震等級が1級であったとしても、その他で地震に強くする対策を取っている工務店も多数御座います。日本の木造家屋の建て方は大きく分けて2種類あり、一つが「木造軸組み工法」、もう一つが「木造枠組み工法」
既存住宅では前者が圧倒的に多いのですが、後者の工法はツーバイフォーやツーバイシックスと呼ばれる工法で地震に非常に強くなります。

ツーバイフォーの耐震性

木造軸組工法は、柱と梁、筋交いの軸組で支えるのに対し、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)は床・壁・屋根が一体化していることで、外圧を面で受け止めます。在来工法と比較して変形が少ない特徴があります。

ツーバイフォーまたはツーバイシックスの住宅は、阪神淡路大震災では97%が補修の必要もなく、東日本大震災では幾度の余震も含めて95%が家屋に支障がありませんでした。こういった結果から、みんなの工務店リサーチでは、耐震等級よりも、地震に強い工法を選択するというのも有りだと考えており、ツーバイ工法をオススメしています。

木造軸組み工法でも、地震に対する様々な制振装置が誕生しています。
制震ダンパー耐震性
工務店によっては地震に対する耐力壁の施工や制震ダンパーを装着したりと様々な対策がなされています。木造軸組み工法で耐震等級は1級でも、こういった+αの装置があると耐震性能は格段にアップします。

耐震等級1から等級3にアップグレードする追加料金は、平均的な40坪程度の一戸建てで100万円~200万円程度が相場となっています。
耐震等級をいくつにするかは、間取りを決めた後では容易に変更できません。
基礎の構造計算からやり直さなければならないので、設計費用が倍額かかると思って下さい。
従いまして、注文住宅を検討している方は、間取りや見た目を気にする前に、理想の条件(住宅性能)を確定させなければなりません。理想の条件につきましては次のページで詳しく解説致します。

一方で、耐震性能を向上させることで犠牲となってしまうデメリットも存在します。
当たり前の話になってしまいますが、木造軸組み工法で高い耐震等級を取得するには、屈強な柱と耐力壁を構造計算して配置しなければならない為、自由度の高い間取りは制約を受けてしまいます。大空間を必要とするリビングは実現できなくなる可能性が有ります。ツーバイ工法も同じく、箱状の部屋を並べたり乗せたりして作る建物ですから、大空間の制限は受けてしまいますし、リフォームも箱状の部屋ごと解体しなければならないので解体費用が高くなってしまいます。
もしそういった間取りの制約を受けたくなく、大空間を作りたい場合は、建築費用が高くなってしまいますが鉄骨造やRC造が得意な工務店を選ぶという手もあります。

耐震性能は地震に対する考え方と、間取りの好みによって、取捨選択下さい。
当サイトのオススメとしては、この後に書く断熱性や気密性も考慮し、平屋ならツーバイフォーで、2階建て以上なら「ツーバイシックス工法(ツーバイフォーよりも優れた耐久力)」で建てられれば、耐震等級は左程気にしなくても十分な耐震性能を担保できると想います。
ツーバイ工法で耐震等級も2級以上の商品プランがあれば、もちろんそちらを推奨いたします。

みんなの工務店リサーチ調べ
「地震に強い家」が得意な工務店一覧


断熱性能の比較方法

工務店の断熱性能比較

断熱性能は、耐震性能と同じく今大変人気を博している住宅性能の1つです。ひと昔前の家と違い、一戸建てであっても室温がとても快適な住宅を建てることが可能となりました。

断熱性能とは
壁内部や床下、天井や屋根裏に断熱材を隙間なく発砲ウレタンを吹付けたり、グラスウール等を敷き詰めたりして室内外の温度の伝わりを遮断する能力になります。こういった外壁や屋根の断熱仕様に加えて、窓枠や窓ガラスを断熱性能の高い装備にすることも非常に効果的。

では、どうしたら断熱性能の良い家が建てられるでしょうか。
それは各社の無料カタログの断熱性能について記載されたページを開いて比較することです。

断熱等級で比較

1つ目に一番わかりやすい断熱等級について書かれているページを見てみましょう。
断熱等級は1~4等級までがあり、さらに4等級の上に「ZHE基準」<「HEAT20-G1」<「ZHE+」「HEAT20-G2」<「HEAT20-G3」と合計9つのグレードがあります。
ZHE_HEAT20

断熱等級は同じ性能でも、お住まいの地域によって等級が変わります。
例えば、沖縄と北海道では気候に大分差がありますから北海道の方が等級検査の基準が厳しい(高性能でなければならない)
※上図は関東から九州までの大部分に設定されている地域区分6でのUA値となります。

等級1は昭和に建てられた断熱材が何も入っていない住宅のことを指し、等級2も薄っぺらの断熱材が少し入った程度の等級です。現代日本の住宅ではローコスト住宅でも余程酷い住宅以外は等級3前後の断熱施工がされています。建築物省エネ法により、現在は等級3以上の住宅を作るように努力しなさいと国が指針を出していますが、努力義務であって規則や罰則は有りません。

余程デザインだけを重視し、住宅性能は軽視したマイホームを望まないのであれば断熱等級4以上にすることをオススメいたします。

ただし前述の通り、全ての工務店が4等級以上を取得をするとは限りません。
イニシャルコストをかけないように住宅性能評価(検査)を受けない場合も多々御座います。カタログに断熱等級などの記載がない場合は、以下の方法で比較しましょう。

熱損失係数から断熱性能を比較

熱損失係数(UA値またはQ値)を工務店ごとにあるいは、商品毎に比較する方法も御座います。

カタログ比較を行っているうちに、どのような素材があり、どのように施工されるのかイメージできてくると思いますが、加えてUA値などの根拠数値を交えて解説を行っているかで、その工務店が断熱性能に関して”得意”であるか”不得意”であるかが見えてきます。
工務店の断熱比較方法
要は、等級と断熱材と厚みや性能がカタログに書かれていて、更にQ値やUA値も書かれていれば、その工務店はこの上なく断熱性能にこだわりが有り、熟練による断熱対策が施されることになると言って良いでしょう。

工務店のQ値

断熱施工が得意な工務店は、根拠となるUA値・Q値がカタログに掲載されている場合が多い

UA値やQ値という根拠数値は大手であれば大手であるほど公表しています。これは数値の計算にまで予算や人手を回せていないという中小工務店の実情も御座いますため、根拠数値の記載がないからといって、その工務店を一律に除外しないようにして下さい。

断熱材の密度と厚みを比較

3つ目、各社がどの断熱材を採用し、その厚みや密度がどの程度かを確認しましょう。
断熱材には様々な種類があり、同じ断熱材でも密度や厚みによって住宅の断熱性能は変わってきます。

工務店カタログ断熱材

どの種類の断熱材が、どこに厚さ何センチで入っているかまでわかります

工務店カタログ断熱仕様

床下、2階床下、壁内、天井の断熱仕様など

代表的な断熱材は「グラスウール」「ロックウール」「ウレタンフォーム」「フェノールフォーム」等があります。
一般的な断熱材は比較的安価なグラスウールになりますが、グラスウールの中にも密度の高い高性能なものも存在しています。
密度の高いものの方が断熱効果は上がりますし、密度の高い物を薄く敷き詰めるよりも厚く敷き詰めた方が断熱性は高くなります。

一方で、断熱材を厚くすればするほど壁が分厚くなってしまいます。土地に余裕がなかったり、建蔽率の問題もありますので、壁(断熱材)の厚さに関しては工務店と相談しながら丁度良いものに落とし込んでいきましょう。
余談ですが、密度の高い断熱材を厚めに施工すると壁の厚みが出ますから、遮音効果も多少期待できます。

一条工務店の断熱材と厚み

カタログから断熱材の種類と仕様・厚みなどをチェック

ここで一つ覚えておきたいのが、カタログに掲載されている断熱材とその厚みや密度などは変更できないのかというと、注文住宅の場合はほとんどの場合は変更可能です。もちろん追加の材料費と施工費が掛かってしまいますので別途料金にはなってしまいますが、断熱性には予算をかけておいた方が後悔しない家作りになると思料いたします。

事前にしっかりと学び、具体的に断熱仕様について指定ができると大変素晴らしいです。
例えば、「UA値を0.6以下で、断熱等級はZHE基準にして下さい」であったり「壁内はグラスウールの16k、厚みは200mm以上で、天井と1階床も同様。2階床は50mm程度で良い」といった具合に注文するのがよろしいです。

断熱施工は、経験豊富で丁寧な仕事をする大工と監督が必須

断熱材の仕様(素材の密度や厚み)を高性能にしても、結局は施工レベルが高くなければ意味を成しません。工務店の施工力、丁寧さ、誠実さがわかる重要なポイントです。
わかりやすく写真で解説します。

壁の断熱材

隙間なく丁寧に施工された壁の断熱材

天井の断熱材施工

天井も隙間とずれ落ち防止対策がなされて丁寧

とても綺麗に隙間なく断熱材が施工されていることが見てとれます。
その一方で、断熱施工に対して経験不足であったり、不得意な工務店が無理やり施工すると…

断熱材に発生したカビ

密閉されていない為、壁内結露でカビと隙間が発生

壁の断熱材

非常に雑…、電気工事のため更にデコボコになったと見受けられる

いかがでしょうか。
あなたは、丁寧な工務店で建てたいですよね。
断熱材は、壁内部や天井裏に施工されていますから、引き渡された後ではどんな施工をされているか目視で確認できません。
だからこそ、断熱に関して”得意”な工務店見抜くことが肝要とお伝えしています。

丁寧に施工された家と、雑に施工された家では、同じ仕様(素材の厚さや密度)であっても性能が極端に低下してしまいます。
断熱材はビッシリと少しの隙間も許さず丁寧に、密閉して施工しなければ、その性能を半減させてしまいます。
上記写真のような雑な施工では、半分どころか、3・4割程度の性能しか発揮できないでしょう。

正直なところ、断熱材による断熱性能はあまり変わりません。厚みや密度で補完できるからです。
断熱材の種類よりも、壁内に厚みを持たせ密度の高い断熱材を隙間なくビッシリと丁寧に施工する工務店を選ぶことが重要です。

家を建てて、実際に住んでから失敗したと感じるポイントで必ず顔を出すのが温熱環境。
「性能面の失敗」においてはワースト1位2位を争う後悔事例になっています。
目に見えない部分ですが、毎日をとても快適にする住宅性能であり、躯体と同じく住宅の価値そのものです。
予算の使いどころとして、断熱性は非常に重要であると心得ておいて下さい。


気密性能の比較方法

高気密住宅の作り方
ここ数年で大注目を浴びるようになった住宅の気密性能。
気密性能は断熱性能と対の性能で、両性能ともに高性能でなければならない、これまた重要な性能となっています。

気密性能とは
住宅一戸に対して隙間がどれくらいあるかを計測した相当隙間面積(C値)のこと。要は住宅がどれほど密閉されていて隙間が少ないかを示す性能になります。いくら断熱性能やエアコンが高スペックであっても、住宅に隙間が多ければ意味がありません。気密性を高めるためには、綺麗に施工された断熱材と石膏ボードの間に隙間なく気密シート(防湿気密フィルム)を施工します。少しの穴や隙間も許されません。コンセントボックスやエアコンの穴開け工事、壁内配管、窓サッシに対しても気密テープや発泡ウレタン等を用いて適切に気密処理する必要があります。

工務店の気密性能比較は、現状割と難しい分野になります。
何故ならば、相当隙間面積(C値)を測るには専用の気密測定試験機が必要で、大手ハウスメーカーが高気密住宅を売りにしている場合はこの試験機を所有していて検査ができますが、中小工務店はこの試験機を持っていない場合がほとんどです。

この試験機を所有している割合は、高気密高断熱の家をうたっていても10%程度。1戸1戸検査をする業者は5%にも満たないような現状です。
気密測定検査機

気密性能においては、大手ハウスメーカーにアドバンテージを取られているように思えますが、大手ハウスメーカーで高気密高断熱の家は価格帯も高額になりますし、中小工務店だからと言って気密性能が担保できていないという訳でもありません。
実は大手ハウスメーカーの高気密高断熱の家は、実際は地場の工務店が下請けという形で建てています。施工技術はあっても測定試験機がないという状況の工務店が多数ありますから、無理にC値という数値にこだわらずとも良いと思料します。

C値に固執しない代わりに、「気密性に関してはどのように施工するのか」「気密シートの施工現場を確認できるか」「C値を1.0以下に出来そう?」等を質問して反応を見てみましょう。高気密高断熱の家は今ブームなので、それを売りにしているにも関わらず、回答できないようなら期待薄。

尚、気密施工の現場が見られる期間は、断熱材の充填から石膏ボードが貼られる極僅かな日数になります。
この期間に見なくては、どこをどう気密施工したのかブラックボックスになってしまいますから、丁寧かつ細かい作業が必要となる気密施工は是非見学させてもらいましょう。気密性能に関して知見のある人間が「見に来る」と先に伝えておき、プレッシャーを与えておくことで、施工業者の丁寧さが増すことも多いです。

天井の丁寧な気密施工

天井や壁に隙間なく気密シートを施工

気密施工テクニック

柱の1本1本も気密テープを使用

コンセントの気密施工

コンセントの穴もしっかり気密施工

もし、気密測定を行ってくれる工務店であれば、「C値1.0以下」にしてもらうようにしましょう。一般的に言う高気密住宅の水準になります。
さらに、細かい作業まで丁寧に施工した場合には「C値0.7以下」の数値が出るはずです。一定の目安値として覚えておくと良いです。

本当に高気密高断熱の家は夏は涼しく、冬は暖かい室温を保てます。
それも家まるごとエアコン1台で空調が賄える住宅もどんどん発売されています。
エアコン1台で快適なのですから、電気代がかなりお安くなります。断熱性と気密性を高めるということはZEH住宅には必ず必要になってくる性能ですし、省エネ性も抜群に良くなります。

みんなの工務店リサーチ調べ
「高気密高断熱の家」が得意な工務店一覧


省エネ性能の比較方法

省エネ性能の高い家づくり
省エネ性能を簡単に比較するのであれば、カタログに記載された「省エネ等級」と「一次エネルギー消費量等級」の2種を比較しましょう。

省エネ性能とは
省エネ性能は2種類の基準から説明されるもので、1.省エネ等級は主に「断熱等級」に伴って高い等級になる建築による省エネ手法、2.一次エネルギー消費量等級は建物内で使用するエアコンや照明、給湯設備などの設備による省エネ手法になります。2021年4月からは住宅ビルダーはお客様に対し、省エネに関する説明が義務化されました。注文住宅を契約する際、または建売住宅を売買する際には必ずどの程度の省エネ性のある住宅であるかを説明します。

省エネ住宅に関しては、年々段階的に義務化を進めていく流れとなっています。
省エネ住宅の基準
本来2020年には、脱炭素社会の実現に向け、新築住宅において「断熱等級4が義務化」される予定でしたが、こちらは一旦見送りとなりました。

または、工務店や商品シリーズによってはBELS表示をしている事も御座います。
BELS表示は省エネ住宅に対して余程”得意”とする工務店がPRするための表示で、表示には国土交通省認定の第三者機構が検査の上でマークデータが発行されます。
マークデータの発行は別途料金がかかるため、これを発行している工務店は自信の表れと言っても良いでしょう。
断熱性能と一次消費エネルギー消費量(建築設計と設備)の両面から分かり易く建築物省エネルギー性能を表示する制度ですから、省エネにこだわりたい方は知っておいて下さい。

省エネ住宅BELS評価

BELSには、その建物のUA値をはじめ、省エネ基準に対してエネルギー削減割合も表示されます。


断熱・気密・省エネ性能を高めるには窓仕様が重要

窓の断熱仕様

住宅性能に関して、最も重要視すべき最後の項目となりますので、もう少しだけお付き合い下さい。
ここまで、断熱性と気密性と省エネ性は三個一の関係にあることを説明してきました。

掲題の通り、この3つの住宅性能を高めるには、窓仕様にも注目する必要があります。
どんなにハイスペックな住宅性能を持った家を建築したとしても、窓は外壁に比べて20%程の断熱効果しか期待できません。

例えば、真夏の炎天下を想像して下さい。
お外の炎天下にさらされて、とても熱くなってしまうものが金属です。
車のボディーやマンホール、公園の遊具なんかも金属でとても熱くなります。
気象庁発表による最高気温が37℃だった場合、炎天下の中にさらされ続けた車のボンネットの温度は89.4℃に達するようです。
住宅の場合はどうでしょうか。

窓サッシの仕様と熱損失

炎天下にさらされて、非常に熱を持ってしまう部分というのは「外壁」と「屋根」と「窓」。その中で、断熱施工されているのは「外壁(壁内部)」と「屋根(屋根または天井裏)」です。
窓サッシ(金属)及び窓ガラスには断熱材は入れられませんから、対策なしでは非常に高温になります。窓ガラスも真夏の日射を受け続け、サッシによく使われているアルミ(金属)部分から、輻射熱で室温をグングンと高めます。夏に住宅内を暑苦しくしてしまう原因の74%は窓なのです。

窓仕様冬の熱損失

冬の場合も同様に、夏の真逆の現象が起こります。冬は基本的に外気よりも室温の方が暖かいですが、暖房やヒーターなどで暖められた室温が冷めてしまう原因の52%がやはり窓です。これも対策なしでは窓サッシや窓ガラスから熱が外に逃げてしまいます。温度計では問題なくとも、窓の付近では暖気がみるみる冷気に変わっていっています。おまけに、内側の窓は暖かく、外側の窓はキンキンに冷えていますから、温度差による結露が発生してしまい、放置するとカビも発生してしまいます。

省エネの基本は前述した断熱・気密の仕様が悪ければ冷暖房の効率も悪くなります。
断熱性・気密性・省エネ性の3つの性能に深くかかわってくるのが「窓」であり、室温の大部分は窓仕様で決まります。

省エネ等級を高めるということは、国が示しているように断熱性だけでなく窓ガラスと窓サッシもある程度高性能なものを採用しなければならないのです。

断熱等級4以上や、省エネ等級は、窓の仕様にも一定以上のスペックを求められます。
工務店のカタログにも必ずと言って良いほど窓の仕様(性能)について言及されていますので、各社の窓仕様を比較することを忘れないで下さい。

工務店の窓断熱仕様

高気密・高断熱・省エネ住宅には高性能な窓仕様が必要。アルミと樹脂のハイブリットタイプ、オール樹脂サッシ、木製サッシが熱還流率(U値)が低くくオススメできます。

また、注文住宅の場合、窓仕様を指定することも可能です。
標準仕様では窓の性能が弱いかなと感じたならば、オプションで性能を上げられるか確認すること、または「●社の●●●を取り付けて下さい」と指定できると大変素晴らしいです。

尚、窓の仕様にも熱貫流率(U値)という、数値が存在しています。
オススメはU値1.0以下となりますが、建設地域によってはそこまでハイパフォーマンスでなくとも大丈夫。
具体的には、北海道や雪国地方ではU値1.0以下、それ以外の地域では複層ガラス(Low-E)のアルミ樹脂ハイブリッドタイプ以上が好ましいでしょう。

外壁や屋根は数十センチにも敷き詰められた分厚い断熱材と木材や石膏ボード、防水・防風シートに気密シートなどで出来ており、外気温を室内に伝えるのを防ぐことが出来ますが、窓ガラスは厚さ1・2cm程度です。温熱環境に関わる住宅性能を著しく低下させてしまうのが窓。トリプルガラスの窓を採用しても、一般的な外壁(グラスウール)に比べて5分の1の断熱性能しかありません。
一面の窓や大開口を取り入れたお部屋は、夏は暑く、冬は寒い理由となります。
住宅性能を高めるということは、こういった住宅の貧弱部分をキッチリと高性能なもので補正してあげることで飛躍的な効果を体感できるでしょう。

みんなの工務店リサーチで特集している工務店は、温熱環境を真面目に住宅の価値として考えられている会社ばかりですから問題ないと思いますが、
窓の仕様を見極められずに高気密、高断熱、省エネ住宅は建ちません。

オススメの高性能窓

高性能窓とは、一般的なアルミサッシ窓に比べて1000倍以上の熱伝導率が低い樹脂サッシや木製サッシを用い、ガラスの枚数も複層(2層~5層)ガラス、さらにガラスとガラスの間にある空気層にもガスを封入して冷暖房の快適温度を失わない高断熱・高遮熱仕様に設計された窓商品のこと。もし注文住宅で新築する場合は窓の指定も可能ですから、お気に入り工務店の窓仕様がスペック不足と感じるようでしたら以下にオススメできる高気密高断熱の窓をご参考にされてみてはいかがでしょう。

YKKAP APWシリーズ

熱還流率 0.84~

「APW」は老舗YKKAPさんの窓商品でとても種類が豊富。リーズナブルな商品も多く高性能トリプルガラスでは、世界トップクラスの断熱性能。シンプルデザインで、美しい外観を演出。世界トップクラスの断熱性能と先進の機能、高いデザイン性をもち合せた窓です。樹脂窓採用により冷暖房費は約45%削減のケースも

EXCEL SHANON シャノンウインドUF

熱還流率 0.68~

YKKAPさんと窓仕様はほとんど同じとなりますが、エクセルシャノンさんの商品はカラーバリエーションに富みます。サッシ部分のお色だけでなく、ガラスのお色もグリーンやブロンズ、クリア、CVDクリアの4色があり、高性能ながら外観に個性を出せる窓を展開。SPGシリーズは熱還流率0.52wと日本最高クラス

三共アルミ トリプルスマージュ

熱還流率 0.85~

Low-Eトリプルガラス、クリプトンガス入り層、樹脂スペーサー共に上記2社に劣らない高断熱構造。外観色はホワイト、シャンパングレイといったスタンダード色からブラウンやブラックのカラーバリエーションも揃えていますから、外観が黒などの濃いお色の場合は候補に挙がる高性能サッシになろうかと思います。

NSGグループ 真空スペーシア

熱還流率 0.85~

NSGグループは、元日本板硝子。日本板硝子といえば、建築用ガラスだけでなく自動車用ガラスも非常に有名で、ガラス加工製品において世界最大級の会社。真空スペーシアはその名の通り、中間層はガスではなく真空に。ガラスは2層でもガラスそのものの厚みがあり、断熱効果だけでなく遮音効果も期待できる仕様。

LIXIL レガリス

熱還流率 0.55~

水回り製品や玄関ドア等で有名なリクシルさんの最高性能な窓からは、熱還流率が世界最高峰のレガリス。他の窓は2枚~3枚のガラスで断熱性能を取りますが、レガリスは5層の多層ガス封入。雪国地方以外ではオーバースペックではありますが、他にもエルスターXやサーモスXなどの高性能窓も扱っています。

以上、日本を代表する高性能窓を一部紹介をさせていただきました。

住宅性能が悪いと、実際に住み始めてから「失敗してしまった…」と多くの方が嘆いています。
日々の生活に不快感が無いような家づくりを行えるよう、いくつかの住宅性能に関しておさえておくべき重要な項目について執筆させていただきました。

住宅性能に関してまとめると…、

耐震性能は万が一の大地震に備え、
断熱性能と気密性能は、毎日を快適に過ごせる温熱環境を整え、
温熱対策がなされていれば、省エネルギー性に優れた住宅になる。
温熱環境と省エネルギーに優れた住宅には、高性能窓は必須である。

上記が重視すべき住宅性能、及び住宅の価値であること、しっかりと覚えておきましょう。

住宅性能の良い家を安く契約する方法

重要度:

工務店ディスカウント
ここまでで家を建てるにあたって重要なことは「資金計画」と「住宅性能の比較」をしっかりと行うこと、挙げさせていただきました。
住宅性能の良い家とはどのような家か、10項目もある住宅性能の内、重視すべき性能はどれか、このページを一読いただいた方はイメージできたのではないでしょうか。

工務店選びの決定打となる、大事なことはまだまだ有ります。
「資金計画」と「住宅性能の比較」の2つに加え、ご家族間での「条件決定」とお値引き後の「最終価格」も非常に重要な決定要素となります。

条件決定については次のページ「理想の家の条件を決める」に、最終価格に関しても「価格交渉」のページにて詳しく執筆しておりますが、「住宅性能の良い家を安く契約する方法」に関係する情報なので簡単に書いておきます。

「理想の家の条件」とは、住宅性能の他に、あなたのご家族がマイホームに求める絶対的なこだわりです。
例えば、「必ず屋上が欲しい」であったり、「リビングは30帖以上」「1室は防音室」など。
屋上が欲しい時点で半数の工務店が候補から消えますし、大きなリビングが条件ならば木造軸組み工法しかできない工務店も候補から外れます。
このように条件を決めて絞り込みを行うと、予算内かつ住宅性能も満足できそうな工務店は最終的に数社程度に落ち着くことが大半です。

仮に5社としましょう。
この5社は求める性能も条件も全てクリアできますが、5社同じ仕様で同時に概算のお見積もりをお願いすると、当然各社価格に関してはマチマチという状況になります。
簡単な図面を作成してもらい、それに対するアバウトな見積書を提示することまでは、各社”無料で対応”してくれます。

しかし、本格的に注文住宅を建てるには、工務店の担当者と理想の条件を取り入れるために入念な打ち合わせを繰り返し、詳細な設計プランの作成を行っていきます。担当者も設計者も流石に何十時間もタダで働いてはくれません。これは無料ではなく有料のご契約が必要となり、この契約を一般的には「仮契約」と呼びます。
仮契約のゴールは、理想の条件と住宅性能、設備や仕様の一切を実現する設計図と、これを実現するためにかかる詳細なお見積り書(建物本体価格+付帯工事+追加工事費+諸経費)を手にすることです。

仮契約の料金は、各社バラバラの提示をしてくるはずです。
大体の工務店やハウスメーカーは10万円程の契約を促してくることでしょう。ここで手付金として100万円程を請求してくる業者もありますが、他社に乗り変えさせないための戦略ですから、そういう業者は除外してよろしいです。(工務店によっては無料である程度の図面まで書いてくれるところもありますが、基本的には料金がかかると思っておきましょう。)

ここからが、住宅性能の良い家をできる限り安く契約する方法になります。

「仮契約に料金が発生するのか…」
では、そろそろ1社に絞り込まなくては…
と大体のご家庭が考えますが、

一生に一度のマイホーム建築ですから最終候補の3社はすべて仮契約してしまうのはどうでしょうか。
それも同時進行で3社仮契約してしまうことをオススメしています。

何故、同時進行で3社と契約するのか
お気づきの方も多いと思いますが、”無料”で出されたお見積書は「概算見積もり」であり、仮契約後の正式なお見積書とは大きく価格が異なるものです。
耐震等級、断熱等級、気密性能、省エネ性能はどうするのか。
断熱材は何を使うのか、窓やドアは何を入れるのか、住宅内のキッチン・お風呂・トイレなどの水回りの設備、床材や壁紙、床暖房や太陽光発電は採用するかなど、マイホーム建築に関わる全ての詳細を決めるのは「仮契約」した後です。無料の概算見積もりの段階ではまだ何も決まっていません。
何も決まっていない状況下での概算見積もりと、仮契約をして全て決めた後の正式な見積もりでは、住宅性能も間取りも設備も、当然価格も全然異なるのは当然です。
最終候補に残った3社を同時進行で仮契約し、全ての仕様がほぼ決まったのちでしか、理想の家の「価格比較」は行えません。
仮契約後の最終的な総額見積もりが複数社無ければ、各社と本格的な価格交渉には入れないのです。

つまりは、手順違いや相見積もりを行わないと、
より良い住宅をできるうる限り安く手に入れることはできないと言えます。

相見積もりを行うために3社と仮契約をした場合、本来10万円で済むところが30万円もかかってしまうと思いがち。でも1社の設計プランとお見積書を見て安易に即決できるほどのお買い物でしょうか。

  • 似たような家を作れる厳選した他の工務店と、性能や価格を比較しなくても大丈夫ですか?
  • 性能や設備・価格に対して、競争してもらわなくて良いのですか?
  • 後から、他も見てみれば良かったと言いませんか?

リアルに仮契約から本契約(工事請負契約のこと)を締結する際には、マリッジブルーならぬ「マイホームブルー」という感情に襲われます。書く云う筆者達もそうでした。
これから長い間お付き合いしていくマイホームです。契約と同時に、数千万円の返済義務も生まれます。それが、あなたのサイン一つで決まってしまいます。
大体の方が不安で不安で仕方なくなります。それは、過去に経験のないことですし、あなたやご家族の人生に大きく関わることなので「本当にこのまま進めて良いの??」と自問自答を始めるのです。

マイホームブルーになってもならなくても、契約の前には「もっと良い選択肢はないのか」という疑問が生まれたり、急に他のプランが見たくなるものです。
しかし担当者もこれまで一生懸命にあなたの理想を叶えるよう一緒にプランを練ってきた方ですから、邪険に扱えないのが人情というもの。
そしてここで急ブレーキをかけてしまう人が多いことも住宅メーカー側はわかりきっていますから、早々に決着を付けに来ます。特典を付けたり、自社商品の魅力を伝えたりしながら考えさせる隙を与えないよう、契約を矢継ぎ早に進めます。「おめでとう御座います!」「本当に羨ましい!」等という言葉を掛けられる中、どこか不安な気持ちで契約しているというのは本当に多い事例で御座います。

マイホームブルー克服

マイホームブルーを克服したり抜け出すことが出来るのは、「全てに満足できる工務店・プラン選びが出来た!」と自信を持って言える時。
予算・住宅性能・設備・価格の全てをキッチリと比較をして決めた工務店が、お値下げ交渉にも応じてくれて、大大大満足のプランで家を建てられるという状況でなければいけません。
これを達成するためには、みんなの工務店リサーチが推奨する手順で進めてもらわなくてはなりません。

お手数をかけて申し訳ありません。
ただし、このひと手間で満足度の高い家を、特別価格で手に入れられる可能性が高くなりますから是非チャレンジして下さい。

家づくりは人生最大級に高額な買い物ゆえ、見なければ後から気になってしまうということは良くあります。
同時に3社と仮契約を結ぶということは、本来1社の最終図面と総コストしか見れないところ、3社分の最終図面と総コストを見比べて、これぞという1社に決めることができる権利になり、失敗や後悔をしないための必要経費であるとお考えいただけると気が楽かもしれません。

3社同時仮契約は、
3社の完成された設計図 = あなたの理想を完璧に叶えた家の3プランから最終比較し、最も気に入ったプランを決定できる。
3社の仮契約後の正式見積もり = 価格比較・価格交渉できる

3社同時の仮契約は余分に20万円の費用がかかりますが、
各社を競合(正式見積もり)させるということは、価格交渉の材料に成り得ますから、20万円のディスカウントに成功するだけでトントンです。
家を建てるにあたり、20万円という金額は、総額の1.5%程度です。
1.5%のお値下げすらも成功させられなければ負担増になってしまいますが、ディスカウント相場は、正式見積もりから3~15%が実勢値と言われています。
当然大きな割引率を求めるのであれば、競合3社分程度の見積もり書が必要になってきます。

工務店相見積もり

重要なことなのでもう一度書いておきます。
これはこれから家を建てる人にとって、とてもとても”お金”について”重要な話”をしています。
家づくりを最大限お得に割引価格で契約したいのであれば、まずは建築予定エリアに対応した工務店の「カタログ一括資料請求」から始めて下さいとお伝えしています。

住宅展示場は、維持費・広告費・人件費など様々なコストがかかっているため、住宅展示場に来場したお客様からの値引きは相当渋くなります。
一方で、ネットでカタログ請求をした新規のお客様は、余計なコストもかかっていないため、値引きの決裁は割と簡単に取れます。

住宅メーカーとの出会いの入り口が「カタログ一括請求」であることが重要です。
注文住宅に定価は御座いませんから、最終価格は各社の「言い値」がすべてとなっています。
ライバル会社を競合させないと、知らない内に「損」をしていても気が付きません。
ライバル会社を競合させると、ライバルに契約を取られたくないため、ギリギリの価格で勝負してきます。
価格だけではありません。設備や窓、断熱材など、様々な性能や設備で勝負してくれます。

この時点で、正規に住宅展示場で営業を受けて新築する方との価格差は100万円以上に及ぶことが多い。あまり書きすぎてはクレームが来ますからこの程度にしておきますが、やらない手はないです。

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そして、相見積もりを行うにあたり注意してほしいことがいくつかあります。

相見積もりで注意すべき4つの作法

  1. 工法を決めて統一させる
    工法には木造軸組み工法、木造枠組壁(ツーバイ含む)工法、鉄骨造(軽量鉄骨造・重量鉄骨造)、鉄筋コンクリート造(RC)などの工法が一般的です。工法によっては材料費や工事費用が全然違いますから、工法を統一させる必要があります。価格交渉の際、工法が違う見積もりと比較されたり交渉しても、そもそも工事価格が異なるためライバル関係に当たらないと交渉に応じません。
  2. 住宅性能や窓仕様などを概ね同じグレードにする
    工法だけでなく、理想の家の条件は相見積もりを取る複数社に全く同じ条件を出しましょう。全く同じ条件でなければ、価格に差異が出てしまいます。例えば住宅性能の等級や断熱材などの建材に始まり、お風呂やトイレの水回り、フローリング材や壁紙や窓などはほぼ同じ仕様で同じ価格帯のものを装備させなくては、どの工務店がコスパが良いか曖昧になってしまいます。
  3. 同時進行で進める
    1社づつ仮契約を行っていると、1社につき2カ月程度のスケジュールに。3社の完成設計図が仕上がるのは半年後以降と考えると、一斉に競合させて値引き合戦してもらうことが難しくなってきます。また、同時に複数社で迷っているあなたの素振りが、担当者へのプレッシャーにもなり、こちらから交渉しなくとも割引の提示やオプションなどの付加価値を提案してくることも有ります。3社同時の仮契約は過密スケジュールで大変になりますが、本当にどの工務店で建てたいか、どのプランが優秀かを見極めるため、または金銭的にも数百万円もお得になるかもしれない話ですから本当に頑張って下さい。
  4. 値下げ交渉は本契約前の1回だけに
    割引をお願いするタイミングは都度都度ではなく、工事内訳まで計算されたお見積りが各社出揃ってから。
    よく性能や建材に難癖を付けて都度価格交渉する方がいますが、かえって逆効果です。各社とサインするかどうかの瀬戸際で、本当に悩みながら交渉しましょう。カタログ一括資料請求を行ったのでしたら、各社のセール期間やキャンペーン期間情報が届きますので、そのタイミングと併せると尚更goodです。

以上4つの作法通りに進めることによって、割引の成功率が格段に上がります。
実際に、みんなの工務店リサーチの運営者4名は、家づくりにおける価格交渉で4名合計2200万円のお値引きに成功していますし、手順通りに進めていただいた方からも「お値下げ成功体験の声」を頂戴しています。さらにもっと詳しく価格交渉のテクニックを知りたい方は、別の手順ページ「価格交渉」も参考になさってみて下さい。

高性能な住宅は国から補助金が沢山!?

重要度:

住宅性能に優れた家を建築する場合は、国からの支援策として、「税制優遇」や「住宅ローン控除額」が一般的な家に比べて大きくなると前ページで書きました。
その他にも、一定の住宅性能を有した「長期優良住宅認定」「低炭素住宅」であれば、更なる優遇を受けることも出来ますし、耐震等級が高ければ、地震保険は50%OFFになるなどメリットが多く御座います。
これらの要件を満たすには、イニシャルコストがかかってしまいますが、その後受け取れる優遇措置や補助金と、そもそも家の性能が良いことで、大満足な毎日を送れるというメリットが御座います。高性能な住宅は当然光熱費が安くなりますし、太陽光発電システムを取り入れたZEH住宅なら光熱費0円も視野となっております。

住宅性能は最初にケチってしまうと、イニシャルコストはかかりませんが…、

光熱費は高いし、税金も高い、住宅ローン金利も高い、保険料も高い、安物ばかりを取り入れてメンテナンス費も高い。

逆に優遇措置や補助金は少ない。

かつ、夏は暑く冬は寒い不快な家。

となってしまします。

であれば、ある程度の住宅性能を有する家づくりを行って、快適な毎日を過ごせる自慢のマイホームを作った方が良いと思います。
今なら住宅ローン金利も安いですし、国からの補助も手厚いのですから、工務店の無料カタログを見ながら本気で家づくりを考えてみてはいかがでしょうか。

実際に満足できる住宅を建てると、将来への漠然とした不安も減り、毎日が快適で最高ですよ!
以上、家づくりを行う上で必ず比較すべき住宅性能と、価格についてでした。

次のページでは「理想の家の条件を決める」方法について解説します。

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